はんだごてリポート

はんだごては1回しか使ったことありません.趣味は鉄道を中心に幅広く.

パスポートの出入国審査のスタンプを観察する(ヨーロッパ編)

1.パスポートの出入国審査のスタンプを観察する(はじめに)

2.パスポートの出入国審査のスタンプを観察する(アジア・オセアニア編)

3.パスポートの出入国審査のスタンプを観察する(北米・南米・アフリカ編)

4.パスポートの出入国審査のスタンプを観察する(ヨーロッパ編)←いまここ

5.パスポートの出入国審査のスタンプを観察する(日本編)

 

 

 イギリス

f:id:handagote_liner:20200302153614j:plain

1987年当時のイギリスの入国スタンプ。これを見て、「イギリスって昔からデザインかわらないのか!」と驚きました。そして入国した空港。ロンドンの南方4,50kmほどの場所にあるガトウィック空港で押されたスタンプです。日本からの直行便はすべてヒースロー空港に向かいますから、あまり見かけないスタンプです。

f:id:handagote_liner:20200302124829j:plain

フランスとイギリスを行き来する国際列車ユーロスターに乗る場合も当然入国審査があるのですが、入国審査は列車乗車前に行われるので表記がパリになっています。同じ理屈で言えばロンドン行きのユーロスターに乗車できる駅にはイギリスの入国管理官が常駐していてスタンプもそれだけ種類があるということでしょうか。全部コレクションした人とかいるのかなぁ。

f:id:handagote_liner:20200302153504j:plain

このスタンプを見つけたとき、非常に驚きました。いつも目にしていたイギリスのスタンプに三角形バージョンがあったとは…。今は出国スタンプが省略されているイギリスですが、1985年当時は押していたんですね。

f:id:handagote_liner:20200302154545j:plain

こちらはドーバー海峡での出国スタンプ!今はドーバー海峡を渡るなら鉄道を使うでしょうし、時代を感じさせます。

 

フランス

f:id:handagote_liner:20200302152402j:plain

1986年当時シャルルドゴール空港で押されたフランスの入国スタンプ。質素でわかりやすいスタンプ。

 

f:id:handagote_liner:20200303133713j:plain

かすれてて見えにくいですが、シャルルドゴール空港で押されたフランスのシェンゲン圏スタンプ。シャルルドゴール空港の所在地ロワシー(Roissy)も表記されている。国を表すアルファベットはF。

 

f:id:handagote_liner:20200303171109j:plain f:id:handagote_liner:20200303172434j:plain

ユーロスター乗車時のスタンプはイギリスの項で先に紹介しましたが、それのフランス版。鉄道利用での入国なのでSLの絵が表記されてたり、パリ側は「パリノード」とちゃんと駅名なのにロンドン側は「セントパンクラス」ではなく単純にロンドンだったりして面白い。鉄道利用でフランスを入出国すると入出国場所はLFT~~と表記されるようだが、そのLFTがなにを表すかはわからず…。わかる方がいらっしゃったら教えてもらいたい。

 

ドイツ

f:id:handagote_liner:20200302124817j:plain

2007年にドイツのゼッキンゲンで押されたスタンプ。車のデザインが表記されている。ゼッキンゲンはライン川を挟んでスイスに面している街で、ライン川にかかる橋のドイツ側の税関で入国審査をしていたと思われるが、スイスは2008年にシェンゲン圏入りしているので、現在はおそらく入国審査は行われていないと思われる。姉がスイスに滞在している間ドイツへ車で行った時に押されたものらしいが、当の本人がよく覚えていないのでどういった流れだったのか詳しいことはわからず。あまり海外でバスも車も利用をしたことがないのでまさか車のマークを見れるとは思いもしなかった。

 

f:id:handagote_liner:20200303173653j:plain

2008年にミュンヘン空港で押されたスタンプ。ミュンヘン空港のドイツ語正式名称Flughafen Münchenが印字されている。

 

f:id:handagote_liner:20200303173442j:plain

2017年にフランクフルト国際空港で押されたスタンプ。

 

スイス

f:id:handagote_liner:20200303120618j:plain

スイスのチューリッヒ空港で押されたシェンゲン圏入国スタンプ。国名を表すローマ字はSchweizerischeからCHが割り当てられている。シェンゲン圏でSを使いそうな国の中で最も加盟が早かったスウェーデンがSWらしいので現在S単独の国はないのだろうか?(私の間違いでした。CHはスイスのラテン語名Confoederatio Helveticaから来ているようです。)

私の家族はスイスに何度も訪れているのですが、なぜかスタンプが一つも見つからず、姉が2011年に訪れたときのみスタンプを確認できました。どうにも不思議なんですが、2000年代はスタンプはなかったとかそういうことなのだろうか?

 

オーストリア

f:id:handagote_liner:20200303132850j:plain

ウィーン国際空港で押されたオーストリアのスタンプ。空港がシュヴェヒャートという場所にあるらしい。国を表すアルファベットはA。
 

オランダ 

f:id:handagote_liner:20200302152532j:plain

1983年当時のオランダの入国スタンプ。下のほうに表記されている「HOEK v HOLLAMD」は「フク・ファン・ホラント」というロッテルダムの港湾の地名のことです。おそらく船で入国したものと思われる。

 

f:id:handagote_liner:20200303175557j:plain

1985年3月の入国スタンプと1985年8月の出国スタンプのデザインが違うのが興味深いですね。ちょうどスタンプのデザインの変わり目だったのかもしれません。変更後のスタンプに描かれている絵がなんなのかはわかりませんが、右側は管制塔と飛行機を表してるのでしょうか?一番上に書かれている「KONINKLIJKE MARECHAUSSEE」は「オランダ王立保安隊」とのこと。

 

f:id:handagote_liner:20200303134827j:plain

1996年にスキポール空港で押されたシェンゲン圏化後のオランダの出国スタンプ。国名を表すアルファベットはネーデルラントのNでした。

 

f:id:handagote_liner:20200302154309j:plain

ところが2002年に押されたものを確認するとアルファベットがNLになってる!2001年にノルウェーがシェンゲン圏入りしたのでそのためだと思われます。ググるノルウェーはN単独っぽいのでオランダが譲った形になりますね。こちらもアムステルダム・スキポール国際空港で押されたもの。

 

デンマーク

f:id:handagote_liner:20200302154612j:plain

1989年当時のデンマークの入国スタンプ。コペンハーゲン空港はKastrup(カストルプ)という場所にあり、昔はカストルプ空港と呼んでいたらしい。

f:id:handagote_liner:20200303114141j:plain

2019年にコペンハーゲン空港で押されたシェンゲン圏版スタンプ。国名を表すローマ字はドイツと被るのを避けるためDKとなっている。

 

ノルウェー 

f:id:handagote_liner:20200303185756j:plain

具体的な国名が書いてないのですが、FORNEBUというのは、かつてオスロ郊外にあったフォルネブ国際空港のことだと思われます。フォルネブ国際空港は1998年にその役目を終えて閉鎖され、空港機能はオスロ空港(正式名称はガーデモエン空港)に移されました。

 

イタリア

f:id:handagote_liner:20200302152154j:plain

1987年当時のイタリアの入国スタンプ。イタリアとは表記されていないのですが、ベネチアとどでかく書いてあります。「PORTO」はイタリア語で「港」です。

f:id:handagote_liner:20200302154426j:plain

ミラノマルペンサ空港で押されたシェンゲン圏版のイタリア入国スタンプ。国を表すアルファベットはI。

 

f:id:handagote_liner:20200303134043j:plain

2007年にローマ・フィウミチーノ空港で押されたスタンプ。父親のスケジュールの都合上12月下旬に行ったんですが、どこの施設もクリスマス休暇でガッカリしたのをよく覚えています…。

 

スペイン

f:id:handagote_liner:20200302153431j:plain

 微妙にインクが途切れ途切れでわかりにくいですが、1983年当時のスペインの入出国スタンプ。マドリードで押されているようです。ENTRADAが「エントリー」でSALIDAが「出る」という意味らしい。

 

f:id:handagote_liner:20200303174943j:plain

シェンゲン圏化後のスペインの入国スタンプ。イビサ島にクルーズ船で訪れた際のスタンプです。これでシェンゲン圏の飛行機・鉄道・自動車・船舶すべてのスタンプが揃ったことになり、ついつい感動してしまった。

国名を表すアルファベットはEspañaのE。

 

ポルトガル

f:id:handagote_liner:20200303184516j:plain f:id:handagote_liner:20200302154154j:plain

 1987年当時のポルトガルのスタンプ。右のSAIDAは「出る」という意味らしい。スペイン語ではSALIDAだったけどポルトガル語はLはいらないんですね。入国の方はインクがかすれていて読みづらいけど「AEROPORT DE LISBOA」っぽいのでリスボン空港のものでしょうか。出国の方はAEROPORTO DE FAROと書いてあり、ファロ空港で押されたスタンプのようです。といわれてもファロってどこだよって話なんですが、ポルトガルの南側の都市とのこと。

 

ギリシャ

f:id:handagote_liner:20200302151056j:plain

1984年当時のギリシャの入国スタンプ。バリバリのギリシャ語で非常に面白いです。Google翻訳によると「ΕΙΣΟΔΟΣ」は「エントリー」という意味らしいので入国時のスタンプでしょう。上から2行目は「AΘHNΩN」と書かれていて、「アテネ」の意味と思われる。「ΔEK」は12月。一番上の「AEPOΛIMHN」はGoogle翻訳を使ってもよくわからなかったのでギリシャ語に強い方がいらっしゃったらご教示願いたい。

f:id:handagote_liner:20200228145508j:plain

こちらは出国スタンプ。Google翻訳によると「ΕΞΣΟΔΟΣ」は「終了」という意味らしい。

現在はギリシャもシェンゲン圏ですので、おなじみのスタンプになってるかと思います。

 

チェコスロバキア

f:id:handagote_liner:20200302154742j:plain

これは見つけたとき本当に驚きました。社会主義国家時代のチェコスロバキアの入国ビザです。上のスタンプに書かれているČSSRは「Československá socialistická republika」の略称。今はチェコスロバキアに分離してますし、当然両国とも社会主義国家ではありません。一応流れ的には

1989年共産党政権崩壊→1990年3月チェコスロバキア社会主義共和国からチェコスロバキア連邦共和国に改称→1993年2国に分離

ということなので、社会主義共和国を名乗ってはいたけど共産党政権は崩壊していたタイミングでの入国だったのかもしれません。しかし表記を見るにおそらく1990年5月にプラハを訪れているのですが、国名の改称が3月だったことを考えると辻褄が合わないような気もします。ハンコを取り替えるのにタイムラグがあったのだろうか?

飛行機のマークがプロペラ機なのも非常に興味深い。

 

ハンガリー

f:id:handagote_liner:20200302160930j:plain

こちらも非常に趣深いビザ。どこのものかさっぱりわからなかったのですが、ビザ番号の下に書かれているMagyar Népköztársaságを検索すると、ハンガリー王国の正式名称だということが判明。知らなかった。というかなんて読むのかもわからない。

チェコスロバキア同様、ハンガリー社会主義国だったことで有名ですが、1989年に民主化されています。このビザは1990年発行なのでちょうど民主化を受けて入国しやすくなった頃合いでしょうか。

 

ヨーロッパ編は以上になります。

 

これで我が家にあるパスポートに押されている諸外国のスタンプをすべて紹介しました。

次は日本のスタンプをいくつか紹介したいと思います。

 

次→

パスポートの出入国審査のスタンプを観察する(日本編)